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読書メモ『バカの壁』養老孟司

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一元論に陥ってしまうことの怖さを説いています。 教育しかり、経済しかり、宗教しかり。 やっぱりわかりやすいのは宗教で、原理主義に走ってしまうと「他の考え方は悪」だと決めつけてしまう怖さがある。 しかも決めつけてしまう方が楽だから始末が悪い。

孟司氏は、「人生は崖を登るようなものだ」と言っています。 いろんな考え方を理解していくのはとても大変だけれど、そこを乗り越えることで視界が開けるんだと。

原理主義的な宗教も決して悪いところばかりじゃないと思いますが、もっと柔軟にやっていけないのですかね? 宗教って一度入信してしまうと、一生貫きとおさなければいけないという風潮がある。

「オレ、先月までイスラム教だったけど、今はプロテスタントやってんねん」

みたいに、いろんな考え方を取り入れられるようになると、宗教間の争いも減りそうなんですけどね。

著者は他にもいろいろ厳しい意見を述べられています。

  • 今の教師には、反面教師になってもいい、嫌われてもいいという信念がない。サラリーマンになってしまっている。給料の出所に忠実な人であって、仕事に忠実なのではない。逆に、職人というのは、仕事に忠実じゃないと食えない。自分の作る作品に対して責任を持たなくてはいけない。
  • 個性なんてものは初めから与えられていて、それ以上のものではない。薄っぺらな個性しかない人が、子供に「個性を伸ばせ」なんて教育をするのではなく、他の人の気持ちがわかるかと伝える方がよっぽどよい。
  • 人生は無意味だ、病気の苦しみには意味はない、と考えるのは楽に思えるがそれは結局自分自身の不幸を招く。苦しみには意味があると考えるべき。苦しいうえにその状況に意味がないと考えてしまうのは二重の苦しみを味わっていることになる。

虚の経済、実の経済という考え方も面白いですね。 国が出している指標は虚の経済であって、お金のやり取りだけが計算されている。 でもその裏では環境破壊が進んでいる。 実の経済というのは資源、エネルギーを一基本貨幣単位としてモデリングされていなければならない。 世界一貧しい大統領ホセ・ムヒカが伝えようとしていることも本質は同じですね。 富よりも大切なことがあるのだと。

知るということは、自分がガラッと変わること。世界がまったく変わってしまう。それが昨日までとほとんど同じ世界であっても。 その世界は、自分がよりよく生きられる世界だ。 だから我々は学び続けなければいけない。 それが生きる意味だ。

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