何が問題か?
JSON テキストファイルの内容を JSON.parse
した結果や、fetch
API のレスポンスを json()
関数にかけた結果は、型情報のない any
型のオブジェクトになります。
TypeScript コードから、このオブジェクトのプロパティを参照しようとすると、「定義されていないプロパティを参照している」という感じの ESLint エラーになってしまいます。
何より、型情報がないデータをそのまま扱おうとすると、VS Code などでプロパティ名の入力補完機能が働きません。
ここでは、サンプルデータとして次のような JSON 形式の文字列を使うことにします。
この JSON 文字列を JSON.parse
関数でオブジェクトに変換して、そのプロパティを参照しようとすると、ESLint がエラーを出します。
解決方法
このような any
型オブジェクトを TypeScript コードから扱うには、JSON データに一致する型情報(あるいはそのサブセット)を定義し、型アサーション (as
) でその型を指定します。
下記のコードは、完全な型情報が付加された TypeScript コードです。
なお、JSON 側での記述をオプショナルにしているプロパティ(上記のサンプルデータでは note
プロパティ)を扱いたい場合も、同じように型定義してしまえば OK です。
型定義 (type
や interface
)は、あくまで TypeScript 側でどのようなプロパティ名での参照を許すかという付加情報であり、JSON テキストに含まれているデータは、メモリ上に全て保持されていることに注意してください。
fetch で Web API を呼び出す場合も同様
ここまでの例では JSON.parse
関数を使っていましたが、fetch
関数で Web API を叩いて JSON データを取得する場合も同様です。
次の例では、GitHub の REST API でユーザー情報を取得しています。
プログラム内で参照するフィールドは、IGitHubUser
型として定義しています。
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