受験生が「やる気」を出すための本。アツい、アツすぎる。
著者の吉野敬介氏の経歴が素敵で、中学と高校で、ずっと不良、暴走族のリーダー をやってきたんだけど高校の終わりに急に大学に行きたくなって、文字通り本当に死ぬ気で勉強してみごと志望大学に合格したという人です(実話)。 ずっと予備校の講師をしてきて、2020年にはYouTuberになったみたいです。
そういえば私が高校生だったころ、吉野氏の詳細は知らなかったけど、『吉野のピタリとでる古文単語』略してピコタンという本は確かにまわりに存在してた記憶があります。 その本自体はたぶん買ってないのですけど、ピコタンって響きが面白かったので、別の単語集の表紙をすげかえて、自分でピカチュウとかピコピコリナちゃんの絵を描いて、「ピカタン」とか「ピコタン」と呼んでいました(どうでもいいですね^^;)
著者の経験の中で、試験の終わりでぶっ倒れたというのは、ちょっとやりすぎな気もしましたが、人間やればできるんだという気持ちにさせてくれる本です。 基本的にモチベーションを上げるための本だと思いますが、妙に実践的な内容もチラホラ。
形容詞や形容動詞は、どんなことがあっても辞書を引かない。これがわからないということは、ぜんぜん文章が読めていないということだからだ。 … いっぽう、動詞と名詞は完全に頭に叩き込んでおこうと思い、辞書を引に引きまくった。 … 訳を紙に書いてみる。かならず紙に書かなければだめだ。頭で思っていることと実際思っていることとは違うからだ。なんとなくわかるというのは、わかっていないのと同じこと。
ところどころ挟まる不良時代のエピソードで、「バカだなぁ」と思わせつつ、物事への打ち込み方の核心をついてきたり。
オレには東大の大学院へ行くなどという芸当はできないが、オレがやったのと同じことを「やれるもんならやってみろ」という自信はある。 … スタート地点がちがうからといって、劣等感に陥ってもしかたがないじゃないか、ということだ。客観的に見たら、競争するだけムダに見えるかもしれないが、受験をするときの最大の敵は自分だということを忘れちゃいけない。やる気と集中力があればなんとかなるんだ。
世の中には自分よりすごい人、環境にめぐまれた人なんてたくさんいます。 そんな中で達成感を味わうには、著者のように「オレほどがんばれるならやってみろ!」というくらい物事に打ち込む姿勢が大切ですね。 仕事でも遊びでも、とにかくがんばろうという気持ちにさせてくれる本です。