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概要

ここでは、Electron アプリの開発に React を導入する手順を示します。 React を導入すると、HTML をフラットな形でゴリゴリ記述していくのではなく、独自コンポーネント(例: <MyButton> コンポーネント)を定義して、まとまりのある単位でコンテンツを構築していくことができます。

下記の手順により、Electron + TypeScript による開発環境が構築できていることを前提とします。

この記事の手順が完了すると、Electron + TypeScript + React による開発環境が整います。 一応 webpack などのバンドルツールを使わなくても開発を始められるので、Electron と React の開発環境としての相性はよさそうです。

React のセットアップ

React モジュールのインストール

React モジュールおよび、TypeScript 用の型定義ファイルをインストールします。

$ npm install --save react react-dom
$ npm install --save-dev @types/react @types/react-dom

package.json の内容は次のような感じになります。

package.json
{
  "name": "myapp",
  "version": "0.0.1",
  "main": "build/main.js",
  "scripts": {
    "build": "tsc",
    "start": "tsc && electron ."
  },
  "devDependencies": {
    "@types/node": "^14.0.14",
    "@types/react": "^16.9.41",
    "@types/react-dom": "^16.9.8",
    "electron": "^9.0.5",
    "typescript": "^3.9.6"
  },
  "dependencies": {
    "react": "^16.13.1",
    "react-dom": "^16.13.1"
  }
}

JSX コードの有効化

TypeScript の設定ファイル (tsconfig.json) を編集し、 .tsx ファイル内に記述した JSX コードを認識できるようにします。 JSX コードはトランスパイルによって、通常の JavaScript コードに変換されます。

tsconfig.json
{
  "compilerOptions": {
    "target": "es6",
    "module": "commonjs",
    "lib": ["esnext","dom"],
    "outDir": "build",
    "rootDir": "src",
    "jsx": "react",  // .tsx ファイル内の JSX を認識
    "sourceMap": true,
    "strict": true,
    "esModuleInterop": true,
    "skipLibCheck": true,
    "forceConsistentCasingInFileNames": true
  }
}

これだけで、Electron + TypeScript の開発環境上で React を使用できるようになります。

実装

React コンポーネント (Hello.tsx)

src/components ディレクトリ以下に、独自の React コンポーネントを定義するための .tsx ファイルを格納することにします。 ここでは、Hello コンポーネントを作成します。 Hello 要素は、オプショナルな name 属性(プロパティ)を指定できるようにしてみます。 JSX 形式のコードを含むので、拡張子は .tsx にすることに注意してください(.jsx の TypeScript 版です)。

src/components/Hello.tsx
import React from 'react';

// Hello コンポーネントの属性(プロパティ)
export interface HelloProps {
  name?: string;
}

// Hello コンポーネントの定義
export class Hello extends React.Component<HelloProps> {
  public render(): React.ReactNode {
    const name = this.props.name ?? 'Mr. Unknown';
    return (
      <h1>Hello {name} in Electron</h1>
    );
  }
}

レンダラープロセス (renderer.tsx)

上記で定義した Hello コンポーネントを表示するためのレンダラープロセスを実装します。 ここでも JSX コードを使うので、拡張子は .tsx を使います。

src/renderer.tsx
import * as React from 'react';
import * as ReactDOM from 'react-dom';
import { Hello } from './components/Hello';

ReactDOM.render(
  <Hello />,
  document.querySelector('#root')
);

このコードは、HTML 内の <div id="root"> 要素の内容を、Hello コンポーネントが出力する内容に置き換えます。 パッと見、React クラスのインポートは不要に見えますが、JSX コードが React クラスを使うコードに変換されるので、インポートしておかないとコンパイルエラーになります。

次の HTML ファイルから、上記のスクリプトを読み込みます。

public/index.html
<!DOCTYPE html>
<html>
  <head>
    <meta charset="UTF-8">
    <title>Hello Electron!</title>
    <!-- https://electronjs.org/docs/tutorial/security#csp-meta-tag -->
    <meta http-equiv="Content-Security-Policy"
          content="script-src 'self' 'unsafe-inline';" />
  </head>
  <body>
    <div id="root"></div>
    <script>require('../build/renderer.js');</script>
  </body>
</html>

メインプロセス (main.ts)

最後に、Electron アプリのエントリポイントとなるメインプロセス (main.ts) の実装です。 このコードは特に変更はなく、単純に public/index.html を読み込んで表示します。

src/main.ts
import { app, BrowserWindow } from 'electron';

// メインウィンドウの表示
function createWindow () {
  const options: Electron.BrowserWindowConstructorOptions = {
    width: 500,
    height: 200,
    webPreferences: {
      nodeIntegration: true  // とりあえず import のため
    }
  }
  const win = new BrowserWindow(options);
  win.loadFile('public/index.html');
}

// Electron の初期化が完了したらウィンドウを作成
app.whenReady().then(createWindow);

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