Linux をインストールしたばかりの状態では、通常は特権ユーザーの root でログインできる状態になっています。
システム管理以外の日常的な作業には、useradd コマンドで作成した一般ユーザーを用います。
ユーザーを作成する (useradd)
新しいユーザーを作成するには、useradd コマンドを使用します。
-m オプションを指定することで、ユーザーのホームディレクトリを同時に作成することができます。
# useradd maku (ユーザーを作成するだけ)
# useradd -m maku (ホームディレクトリを同時に作成する)
# useradd -m -s /bin/bash maku (さらに、ログインシェルを設定する)
# useradd -m -s /bin/bash -G admin maku (さらに、admin グループに所属させる)- オプションの意味
-m… ユーザーのホームディレクトリを同時に作成します-s /bin/bash… ログインシェルを/bin/bashに設定します。省略した場合は、/etc/default/useraddファイルで定義されているシェルが設定されます(Ubuntu 22.04 の場合は/bin/shですが、dashへのシンボリックリンクです)。ユーザー生成後にログインシェルを変更したい場合は、chshコマンド を使用します。-G admin… ユーザーをadminグループに所属させます(adminは Debian/Ubuntu で管理者を表すグループです)。グループの制御 はユーザー作成後にも行うことができます。
/etc/passwd ファイルを見ると、ユーザーが追加されていることを確認できます。
デフォルトでは、最初に作成したユーザーのユーザー ID は 1000 になります(その後追加するユーザーは、1001、1002、1003 となります)。
$ grep maku /etc/passwd
maku:x:1000:1000::/home/maku:/bin/bash
id コマンドを使うと、指定したユーザーの ID 情報や所属グループを確認できます。
$ id maku
uid=1000(maku) gid=1000(maku) groups=1000(maku),1234(admin)
ユーザーを削除する (userdel)
Linux のユーザーを削除するには、userdel コマンドを使用します。
-r オプションを指定することで、ユーザーのホームディレクトリを同時に削除することができます。
# userdel -r makuユーザーのパスワードを設定する (passwd)
作成したユーザーで Linux にログインするには、passwd コマンドでパスワードを設定しておく必要があります。
root ユーザーが、特定のユーザーのパスワードを設定するには次のようにします。
# passwd maku
New password: (パスワードを入力)
Retype new password: (パスワードを入力)
passwd: password updated successfullyユーザーにパスワードを設定したら、ssh コマンドでローカルホストにログインできるか確認できます。
# ssh maku@localhost
maku@localhost's password: (上で設定したパスワードを入力)
カレントユーザーのパスワードを変更するには、passwd コマンドを引数なしで実行します。
$ passwd
Changing password for maku.
Current password: (現在のパスワードを入力する)
New password: (新しいパスワード入力する)
Retype new password: (新しいパスワードを入力する)
passwd: password updated successfully