まくろぐ
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つまらない仕事を「すごい仕事」に変えるヒントが詰め込まれています。 「プロジェクト」って何だろう? 何が大切なことなのだろう? ということを原点に戻って考えさせてくれます。

才能のない人は、最初からおもしろいことがないかを探してしまう。 大切なのは、工夫すること自体が楽しいから工夫するという考え方。

今やっている仕事がつまらないと思ってしまったら、この本を開いてみると何かが変わるかもしれません。

はじめに

プロジェクトって?

普通の人が理解できないことをやらなければいけない。やる価値があるものは、それ以外にないのだから

— アンディ・ウォーホール

プロジェクト内には、ガント図、PERT、CPM など、素人を煙に巻く道具がたくさんあり、多くの人たちは、

  • そのプロジェクトの一体どこがすごいのか?
  • どこが人の記憶に残るものなのか?

という肝心なことを忘れてしまう。

すごいプロジェクトとは、

  • 目にも止まらぬ速さで突っ走るもの
  • はじめ馬鹿にしていた人に「私が間違っていた」と言わせるもの
  • たちどころに試作品が出来上がるもの
  • あらゆる官僚的手続きをせせら笑うもの

である。 ウェイン・ワン監督の映画『スモーク』では、生き様を示すのがプロジェクトだと言っている。

充実した人生を送るには

実現できない夢はある。 しかし、夢を描き、その夢を実現するために、持てる限りの智力、体力、気力を振り絞らない限り、人間が鍛えられず、絶望の味も歓喜の味も知らず、心も生活も豊かにならぬまま人生を終えることになる

充実した人生を送るには、すごいプロジェクトをやるしかない

プロジェクトの 4 段階

  1. 創造 (30%): プロジェクトの企画。カッコいいか?やる価値があるか?
  2. 売り込み (30%): お客さんを集める。
  3. 実行 (30%): 舞台の幕を開ける。紙の上のプランよりも、試行錯誤を重視する
  4. 退場 (10%): バトンタッチ。これをいい加減にやると、跡形もなく消えてしまう。

ほとんどのプロジェクトでは、「実行」以外のプロセスが忘れられている。 実際には、「実行」は「売り込み」の延長であることが多い。

第一段階『創造』

言われた通りに仕事をやっているだけでは、いつまでたってもプロジェクトは創造できない。

  • 「トイレを直して」と頼まれたらどう考えるべきか?
    • バスルームの位置が悪いのかもしれない。
    • 家全体の設計の問題では?
    • 本格的な改築工事が必要かもしれない。
  • 「返品規定を見直して」と頼まれたらどう考えるべきか?
    • 会社が官僚的でもろもろの手続きが複雑なのでは?
    • 対処する現場の人間を信用していないのでは?
    • 社風刷新計画への突破口になるかもしれない。
    • 戦略的に欠陥を是正する絶好のチャンスかもしれない。

枠を取っ払う

あなたの本当の仕事は、一見つまらない業務や雑用を、カッコいいもの、忘れられないもの、すごいものに変えることだ。 憂鬱な仕事を、自分たちの価値観を体現する一大プロジェクトに変えてはいけない理由はない。 平凡な成功をまたひとつ積み重ねるだけの仕事はやめよう。

バカはメモをとらない

まずは「観察ノート」を作ってみよう。(1) ムカつくことに出くわしたら、(2) すごいものに出くわしたら、何でも書き留める。 ポイントは、ものを見る眼を養い、小さなことに感動できる感性を磨くことにある。 シンプルなスパイラルノートの表紙に「しびれる」、裏表紙に「むかつく」と書き、今日から始めよう。 プロジェクトごとに専用の日記を用意し、そこに何でも書いていく。 思いついたらすぐに書き留めること。

言葉遣いの問題

何をやるときも、「すごいか、すごくないか」を判断基準にしてものごとのやり方を決めること。 「すごい」という言葉自体にすごいパワーがある。 やってみなければ、できるかどうかは分からない。 すごいことをやってみたいと思わなければ、すごいことは何もできない。

小さな問題の陰にビッグ・プロジェクトあり

よくありがちな小さな問題を小さいと思ってはいけない。 それはタイタニックを引き裂いた氷山の一角だと考えたほうがいい。

  • ウォルトディズニーは、孫を連れて行けるところが欲しかった。
  • 3M のアートフライは、聖歌集にはさんでおく栞がすぐに落ちてしまうことに苛立った。

小さなプロジェクトなら、警報を鳴らすことなく、大きな改革を進めやすい。 つまらない仕事は、かなり自由がきく。 誰も気にしない。誰も見ていない。だから、やりたいことができる。自分で直接、手を下せる。間違いを犯せる。危険を冒せる。 そして、奇跡を起こせる!

ブレーキを踏め

進行中のプロジェクトのどこがすごいのかを 1 枚の紙かカードにまとめ、毎週金曜日に、当初描いた夢からそれていないかどうかチェックしてみよう。

愛が地球を回す

プロジェクト全体は退屈でも、その中に何か、自分のチャレンジ精神を刺激するものがあれば、その部分だけを取り出して、それをプロジェクト内プロジェクトに変えてしまえばいい。 これが自分にとってのでっかいプロジェクトになる。

チームメイトといっしょにプロジェクトの定義を考えよう。 やるべき仕事と予想される結果にチーム全体が興奮するまで、この作業を止めてはいけない。

自分は本当に、自分のプロジェクトを愛しているか。 自分の点数、そしてチームメイト全員の点数が 7 点か 8 点になるまで、プロジェクトを進めてはいけない。

美貌のプロジェクト

プロジェクトに大事なもの、それは、情熱だ!愛だ!美しさだ!

美しくないものは、何かが間違っている。 日常的な会話の中で、「美しさ」を毎日、話題にしよう。 どうすれば美しいプロジェクトにできるか、話し合ってみよう

不思議なものに出会って驚くほど、素晴らしい経験はない

— アルバート・アインシュタイン

まずデザインありき

すごいプロジェクトを企画するときは、デザインとデザイナーを最優先事項にしてほしい。 どうすれば、デザインをプロジェクトの目玉にできるか。刻印にできるか。

インターネットの活用

インターネットが大きな役割を果たしていないプロジェクトは、革命的とは言えない。 これから立ち上げるプロジェクトについて、ホームページを開設しよう。 ホームページの見栄えと内容次第で、プロジェクトの本質があぶり出される。

誰も怒らないプロジェクトなんて…

すごいプロジェクト → ルールの変更 → 怒り出すヤツがいる

これは公理である。 初めは出来るだけ目立たないようにしよう。 軌道に乗るまでは細心の注意が必要だ。

これは政治である。 政治が「ものごとを実現する技術」であることを思い出してほしい。 政治なくして実現はない。

熱狂的ファン

「顧客満足」程度で満足してはいけない。 すべてのお客さんを「動く広告塔」、すなわち熱狂的なファンに変えなければいけない。

「別に文句はない」というお客さんではなく、「文句はおおありだ」というお客さんを見つけたほうがいい。 今日、カンカンに怒っているお客さんが、明日、熱狂的なファンになってくれる。

海賊旗をなびかせ大海原を行く

今日から航海日誌をつけ始めよう。 どんな仕事にも冒険の要素を加え、毎日、冒険談を書き記していこう。 心を奮い立たすため、ピアリー、スコット、シャクルトン、アムンゼンなど、北極・南極探検家に関する本を読んでみてはどうだろう。

隠れ家

隠れ家はよく行く飲み屋の隅のテーブルでも、物置になっている会社の小卸屋でもいい。 そこを作戦本部にしよう。 隠れ家をもつことで、うわさが静かに広がっていくのがいい。

歓喜の瞬間を思い描く

スタートするときに、ゴールの瞬間をイメージしよう。 すごい絵を描けないなら、それはすごいプロジェクトじゃない。 プロジェクトチーム全員に「完成予想図」を描いてもらい、みんなで比べてみよう。

レインボーカラー

驚嘆すべきプロジェクトはすべて、生まれも育ちも考え方もライフスタイルも資質も極端に違う人たち、不協和音を誇りとする人たちが集まって、やり遂げたものだった。 自分のチームに色彩が乏しいなら、それをどう豊かにしていけばいいか考えてみよう。

事業計画

すごいプロジェクトの立ち上げは、本質的に、会社創業と変わらない。 だから、至極当然のことながら、しっかりした事業計画がなければならない。 現実を見据えているか? 迫力があるか? 厳しい期限があるか? 十分な勝算があるか?

夢を妄想に終わらせないために

途方もない夢を実現した人はみな、夢を見ながら手足を動かした人たちだ。 夢想にふけるだけでは、どこまでいっても幻である。 さっそく締切を設定しよう(最初の締切はどんなに遅くとも 5 日以内だ)。 でかでかと書いて、みんなのよく見えるところに貼り出そう。

話を聞いてくれる人は千人力

すごいプロジェクトをやろうとすれば、孤独になることがある。 いたるところから狙撃される。 自分の仕事について相談に乗ってくれそうな人、苦しいときに力になってくれそうな人(アドバイザー)を探そう。

共謀者を探せ

数人の同士を獲得するだけで、すごいプロジェクトを売り込む技がおおいに磨かれる。 早くから支援してくれるのは、大概が地位の低い人である。 大物を釣り上げようなどと思わないほうがいい。ことは急ぐ。

将来の共謀者にブリーフィングできるチャンスを絶対に逸してはいけない。 ブリーフィングはあなたの大事な仕事だ

何もできていないうちから、お客さんのことを考えよう

企画段階から、お客さんを引き摺り込もう。 お客さんに相談しよう。 早すぎることはない。あっという間に手遅れになる。 共謀者になったほうがトクをする仕組みを考えよう。

尺度と測定

自分が決めた尺度で、プロジェクトを測定してみよう。 この測定は何度でも繰り返す。

オススメの 5 つの尺度

  • すごい!
  • きれい!
  • 革命的!
  • インパクト!
  • ファンの熱狂度!

第二段階『売り込み』

あなたがもらえる時間は 3 分

プロジェクトの内容を 1 枚にまとめる。 そして、ポイントを 5 つに絞り、5x7 インチのカードにまとめる。

メタファーは万言に勝る

人の心を動かす「メタファー」とは、煮詰めに煮詰めたストーリーのこと。 「1個のマーク」になることもあるし、「1枚の写真」、「強烈なキャッチコピー」になることもある。

売り込む相手を考えよう

最大の過ちのひとつは、あまりにも早い時期に上層部を口説きにかかること。 まず標的にすべきは、お偉いさんではなく、仲間たちである。

ネットワークを広げる

コミュニティづくりだけは、絶対にやめてはいけない。 サポーターの輪が広がっていかなければ、すごいプロジェクトは実現しない

最後に来た人も、最初に来た人と同じ

あなたの話を聞こうとしなかった人が、手のひらを返してきたときには受け入れてあげよう。 「半年前、気の確かな人なら、ノーと言うのが当然ですよ(^-^)」と。

釣った魚にもエサはやる

サポーターに絶えず最新情報を送る「フォロー・プログラム」を考えよう。 サポーターの熱は冷めやすいし、無視されたと思えば、腹立ち紛れに敵にまわることだってある。

敵は相手にせず

サポーターにならないことがわかっている人を説得しようとしない。 有能な改革の旗手は、誹謗中傷など気にしない。 敵の攻撃を相手にしない。 自分の信念にしたがって、黙々と仕事をするすごい仕事は、笑顔でやるときが一番うまくいく

顧問で箔を付ける

顧問団をつくろう。顧問団ができれば、プロジェクトの信頼性が増す。 顧問団にはいっさい隠し立てをしてはいけない。

貧しき者の自由を知れ

貧しき者にはいいことがたくさんある:

  • 同士を好き勝手に選べる
  • 思い通りに企画できる
  • でっかい夢を描ける
  • ダメだと思ったら一からやり直せる

ベータテスト

MS は Windows 95 の発売前に 30 万人にベータバージョンをテストしてもらった。 ここから得られた無料のアドバイスには、10 億ドルの価値があったという。

第三段階『実行』

口に入る大きさに切ろう

遊んで、テストできて、何かを学べる小さなパズルの断片を見つけるために、プロジェクトを細切れにしよう。

おしゃべるをするだけでなく、計画を立てるだけなく、毎日何かをやり遂げ、何かを試す。 堂々巡りの会議ほど、力が抜けるものはない。

★話し合うだけの人は、何も生産していない。 — まく

試作に狂え

どんなに大きなプロジェクトでも、細かく分解すれば、2、3日中に(あるいは数時間以内に)現実世界でテストできるものが必ずある。 ボーイング社のプロジェクトだって例外ではない。

プロジェクトの実行段階では、「試作に狂う」ことほどカッコいいことはない

イノベーションの神様、マイケル・ジュラーシはこう述べている。 イノベイティブな企業かどうかを見分けるには、すばやく試作品を作ることが文化になっているかどうかを見ればいい。試作文化が根付いているかどうかということ。

絢爛たる人生 = 試行錯誤 = 電光石火の試作

遊ぼう、遊び仲間を見つけよう

遊びはいい加減にやるものではない。真剣にやるものだ。 ウソだと思うなら、海辺で砂のお城を作っている子供を見て欲しい。

失敗は気にしない。 計画はいくら壊してもいい。 壊していけないのは、夢だけだ

フライング 100 回

成功にも失敗にも等しく報いる。罰するのは怠惰だけだ — デービッド・ケリー

実地に試して、ひとの意見を聞け。いますぐ。 その意見をよく咀嚼し、その意見を取り入れて修正しろ。 ぐずぐず言うな。 くだらねえおしゃべりはやめろ。 手柄争いをするな。

テストが終わったら、24時間以内に、

  • フィードバックの内容を整理しよう
  • 悪いところを修正しよう
  • 次のテストをしよう

ダメだと思ったらぶっこわせ!

プロジェクトが5分の2まで進行したところで、あまり冴えないことに気がつく。 それなら迷わず、ぶっこわそう。

プロジェクトの一部がどんなにすばらしくても、それで全体がおかしくなっているのなら、それは役に立たない。 役に立たないどころか有害である。 破壊して征服せよ

すごいプロジェクトをやるには、すごい人たちが必要

すごいことをやりたいのなら、実行段階になっても売り込みは終わらない。 頼みもしないのに、あなたのプロジェクトをあちこちで宣伝してくれる人が必要になる。

大急ぎで試作品を作るのは、自分たちがすごいことをやりはじめたことを、一日も早く、未来のサポーターに見せつけるためだ。

スカウト活動を真剣に考え、それを仕事にしよう。 実行の成功=サポーター集めの成功。これには多額の投資(時間)が必要になる。

笑いは地球を救う

ユーモアは、すごいプロジェクトの秘密兵器だ。 ユーモアほど、緊張をときほぐし、連帯感をつくりあげるものはない。

意識してチームの気分を明るくする方法を考えよう。 おもしろいことを言う人、ユーモアのセンスのある人、底抜けに明るい人がいたら、プロジェクトに参加してくれるよう頼もう。

でっかいバインダーを用意しよう

見出しラベルや仕切りページがたくさんついたバインダーを用意しよう。 そして、終始話題にすべきテーマや達成目標を見出しに書いていく

手帳というより日記にしよう。 真面目なことも、ふざけたことも、大事なことも、つまらないことも、みんなごたまぜにして放り込んでいこう。 クズの収集を馬鹿にしてはいけない。 プロジェクトの運命を左右する日に、ちょっとした新聞の切り抜きが救世主になるかもしれない。

見出しは大事だ。それは実質上、プロジェクトの旗印であり、要綱である。

リスト作成は権力への道

会議が終わったら、すぐにその内容を整理する。 簡潔なリストをもとにして、スケジュール表をつくる。 この 2 点をいつも忘れないようにしよう。 リスト作成と議事の要約を真剣にやれば、驚くほど簡単に主導権を握れる

スケジュールの鬼になれ

スケジュールほど強力なツールはない。 クリアすべきハードルと、それをクリアすべき期日をはっきりさせて、しっかりスケジュールを組むことが、本当のプランニングというものだ。 それ以上手の込んだものは忘れろ

中間目標をはっきり定めた時点でのスケジュール表を大きな紙に書いて、目立つところに張り出そう。電子掲示板にも、同じものを張り出そう。

スケジュールの命は、一目でわかる簡潔さにある。 最新のプランニングソフトウェアは必要ない。 クズをいくら作ってもしょうがない。

会議はどんなに長くても 15 分

何か困ったことが出てきたら、すぐに 15分会議 を収集して、すぐに問題を解決しよう。CNN は 15 分ルールを適用していたし、ロッキードの秘密開発チームも同じルールを使っていた。

雑談やら、ご機嫌伺いやら、もったいぶった前向きをやめる。 会議に 16 分かけてはいけない(14 分ならいい)。

★1時間もだらだらと会議を続ける人は、だらだらと仕事をしてしまう人。そんな仕事の仕方をする人には、伝えたいことを簡潔に伝える力は身につかない。 普段から 15 分で会議を終わらせるように心がけていれば、イザというとき(エレベーターピッチなど)にも意見をわかりやすく伝えることができるようになる — まく

小さな達成があったら、すぐにその日は達成記念日

祝杯をあげるのに、小さすぎる達成はない。 達成感は大事だ。倦怠感に陥らないために、チームを奮い立たせるために、そして、世間に(社内に)うわさを撒き散らすためには、お祝い事をやるに限る。

★チームメンバーの入れ替えは起こるもの。頻繁にお祝い事があれば、途中でチームを抜けてしまった人も含め、みんなが達成感を味わうことができる — まく

有能なプロジェクト・マネージャーは、どんな小さな成功も見逃さない。 「思い立ったらすぐにお祝い」をクセにすればいい。

T シャツでもいい、マグカップでもいい、ボールペンでもいい、横断幕だっていい。 チームの結束を強め、勢いをつけるプロジェクト・グッズを何か作ってみよう。 この開発術もまた、習得できる。

挫折に乾杯!

「電光石火の失敗」は草の根を分けてでも探し出すべき聖者である。 電光石火の失敗があったら、祝杯をあげよう。

星に手を伸ばして「高ころび」をした人を表彰しよう。 黄金のドジ杯を作り、受賞者が一週間、その栄光カップを手元に置いておくというのもよい。

初心を忘れ、そんなに急いでどこへ行く

毎日、本来の目的を話題にしよう。 定期的にに「初心思い出しメール」を送ろう。

プロジェクトが半分進んだら、チーム全員が仕事の手を休めて集まり、このまま続行するべきかを話し合おう。 すごいはずのプロジェクトが、いつのまにか平凡なプロジェクトになっていないか?

★たとえ「すごい」スピードで試作を続けていても、それが「すごい」ものを作る目的から外れていては意味がない — まく

プロジェクトにだって、アイデンティティーが欲しい

すごいプロジェクトなら、そのプロジェクトにしかない「個性」がある。 すごいプロジェクト = キャラクター = 個性 = ブランド = アイデンティティー。

ありきたりのプロジェクトであっても、アイデンティティーを確立することで、すごいプロジェクトに変身する可能性を秘めている。

君子豹変

いつかは、主流に合流しなければならない時が来る。 プロジェクトが完成に近づいたら、実地試験の成功を、あの手この手で吹聴しよう。 お偉いさんを加えよう。

ユーザー・コミュニティーから目を離すな

実行の最終段階で成否のカギを握るのは、会社上層部への売り込みではなく、早期のユーザーに大きな声をあげてもらうことにある。

小さなサクセス・ストーリーを集めて、あちこちで言いふらそう。いいストーリー = いいマーケティング。

ざわめき管理プログラム

ざわめきは自然にできるものではない。 それは(大金はかけられなくても)時間をかけて、創り出すものだ。 「ざわめき管理プログラム」なくして、ざわめきはない。

発展段階に応じて、違う種類のリーダーが必要になる。 プロジェクト実行の最終段階では、マーケティングの神様に師事している人を事実上のリーダーにしたほうがいい。 たとえ 6 週間のプロジェクトであっても、正式の「マーケティング・ざわめきプラン」を立ててみよう。

第四段階『退場』

餅は餅屋

ベンチャー企業でも、企業家からプロの経営者にバトンを渡すべき時がくる。 このとき、バトンタッチがうまくいくかどうかで、その後、大輪の花が咲くかどうかが決まる。

情報システム部、人事部、財務部、総務部、◯◯部、××部、会社の主要部署にいる人たちとお友達になろう。 プロジェクトの新展開に備え、レールを敷いていこう。 自分の海賊チームだけでは進められない段階がある。

後継者を探そう

「継承プランニング」を真剣に考えよう。 心おきなく後事を託せる人が見つかるまで、舞台の幕を引いてはいけない。 あなたの出番が終わりに近づいたら、後継者探しに全力をあげよう。

置き土産

チームメイト全員にしっかりとした居場所を確保しよう。 このために時間と労力を惜しんではいけない。 プロジェクトの寿命を伸ばすだけでなく、「面倒見がいい人」という評判を広めることができる。 この大事な仕事に手を抜けば、たとえ一時は勝利しても、プロジェクトのインパクトは長持ちしない。いや、すぐに消える。

退学の美学

お世話になった人に感謝の手紙を書こう。 最低でも 100 通は書かなければならないだろう。

後継者に恵みを与えよ。 「あとを頼む」の一言で背を向けてはいけない。 休みを取り、あとのことをくれぐれもお願いしよう。

チームの歴史を書こう。写真アルバムを作ろう。

どんな小さなことでも、自分を助けてくれた人全員に、惜しみなく手柄を譲ろう。 それが終わったら、お別れの挨拶をして、足早に、涼やかに立ち去ろう。

功労者が居座るほど厄介なことはない。涼やかに去っていくことで、残された者が立ち上がる。

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