何をするか?
ここでは、Next.js アプリを次のような構成でホスティング(Web サイトとして公開)できるようにします。
create-next-app
で作成した Next.js アプリのコードを GitHub で管理するmain
ブランチにプッシュ(マージ)したら GitHub Actions で下記を実行- Next.js アプリをビルド (
npm run build
,npm run export
) - GitHub Pages にデプロイ
- Next.js アプリをビルド (
つまり、この設定が終わると、GitHub に Next.js アプリのコードをプッシュするだけで、自動的にビルドされて、Web サイトに反映されるようになります。
GitHub リポジトリの準備
空の GitHub リポジトリを作成し、そこに create-next-app
で作成した Next.js アプリをプッシュします。
リポジトリ名は、最終的な Web サイトのアドレスをどうしたいかで、次のように作り分けます。
- ユーザーサイト(あるいは Organization サイト)
- 公開 URL:
https://<username>.github.io/
- 作成するリポジトリ名:
<username>.github.io
- 公開 URL:
- プロジェクトサイト
- 公開 URL:
https://<username>.github.io/<repository>/
- 作成するリポジトリ名:
<repository>
- 公開 URL:
ここでは、プロジェクトサイトとして myapp
というリポジトリを作成した場合の例で説明していきます。
上記のように実行すると、初期状態の Next.js アプリが GitHub にプッシュされます。
package.json および next.config.js の修正
package.json
package.json
を修正して、Next.js の静的 HTML のエクスポート機能 (next export
) を NPM スクリプト経由で実行できるようにしておきます。
これは、後述の GitHub Actions のビルドスクリプトから npm run export
で起動できるようにするためです。
修正したら、コミット&プッシュしておきます。
next.config.js
GitHub Pages のサイトを「プロジェクトサイト」として作成する場合、つまり、https://<username>.github.io/<repository>/
という URL で公開する場合は、トップページがドメインルートではなくなります。
そのままだと、Next.js アプリ内の JS ファイルや CSS ファイルが軒並み 404 Not Found になってしまうので、Next.js ビルド用に追加のプレフィックス設定 (assetPrefix
) が必要です。
さらに、Link
(next/link) や Router
(next/router) によるリンクのベースパスとしては、basePath
の設定の方が反映されるので、こちらも合わせて設定が必要です。
次の next.conf.js
の記述例では、環境変数 URL_PREFIX
が設定されているときに、その値を URL のプレフィックスとして使用するように設定しています(先頭にスラッシュ /
を付けないとうまくいかないようなので注意)。
この環境変数は、後ほど GitHub Actions のビルドスクリプトの中で、リポジトリ名に合わせて設定します。
また、trailingSlash
を true に設定しておくことで、pages/aaa.js
というコードが、aaa.html
というファイルではなく、aaa/index.html
というファイルとして出力されるようになります。
これにより、Web ブラウザに直接 https://<username>.github.io/myapp/aaa/
といった URL を入力したときにも正しくページが表示されるようになります(Web ブラウザはこのような URL を入力すると、aaa/index.html
を探しに行くので、aaa.html
というファイルを配置するとうまく動作しません)。
トップページからリンクを辿っていくだけであればデフォルト状態でも動作するのですが、特定のページでリロードやブックマークできるようにするにはこの設定が必要です。
ちなみに、クライアントサイド JS からこういった URL プレフィックス情報を直接参照するには、ちょっとした工夫が必要です(Next.js の Image
コンポーネントなどを使う場合は気にする必要はありません)。
GitHub Actions の設定
GitHub リポジトリのページで Actions タブを選択し、次のように新規ワークフローを作成します。
set up a workflow yourself
をクリック- YAML ファイルの編集画面になるので、次のように入力して
Start commit
をクリック
各ステップで何をしているかは、name
プロパティを読めば大体わかると思います。
npm run build
の環境変数 URL_PREFIX
の値 (myapp
) は、GitHub リポジトリ名に合わせて修正してください。
この値は、前述の next.config.js
の中で参照しています。
ただし、GitHub Pages をユーザーサイトとして作成している場合(リポジトリ名が <username>.github.io
の場合)は、この環境変数は必要ありません。
肝心の GitHub Pages 用のデプロイには、actions-gh-pages を使用しています。
このアクションは、publish_dir
で指定したディレクトリ(上記では out
)の中身を、gh-pages
ブランチにコミットしてくれます。
ここで out
ディレクトリを指定しているのは、npm run export
(next export
) のデフォルトの出力先が out
ディレクトリになっているからです。
main.yml
のコミットが完了したら、自動的に GitHub Actions によるビルドが開始され、Actions
タブからビルドの状況を確認できます。
数十秒くらいしてビルドが完了すると、GitHub リポジトリに gh-pages
ブランチが生成されて、そこに Web サイトのコンテンツ(npm run export
で生成した out
ディレクトリの内容)が格納されていることを確認できます。
今後は、GitHub にソースコードをプッシュするたびに、このビルドプロセスが自動的に実行されます。
GitHub Pages を有効にする
最後に、GitHub Pages 機能を有効にして、gh-pages
ブランチの内容を Web サイトの形で見えるようにします。
- GitHub リポジトリのページから
Settings → Pages
と選択して GitHub Pages の設定画面を開きます Source
の項目でブランチgh-pages
を選択してSave
ボタンを押しますEnforce HTTPS
のチェックも入れておきましょう(http
によるアクセスが自動でhttps
にリダイレクトされます)
しばらくして、https://<username>.github.io/myapp/
にアクセスして、Next.js アプリのトップページが表示されれば成功です!