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MVC パターンの構造

オブジェクト図

/p/cps3nt8/mvc-object.png
生成コード📖

シーケンス図

/p/cps3nt8/mvc-sequence.png
図: シーケンス図 生成コード📖

M (Model)

処理。ビジネス・ロジック。

アプリケーションが使用するデータを保持し、アプリケーション固有の処理を実行する。 外部のストレージ(データベース)に保存するためのインタフェースなどを備えていてもよい。

特に、保持するデータを参照するための public インタフェースだけを備えているものを Model ということもある。J2EE デザインパターンでは、純粋にデータのみを保持するものを Value Object と呼んでいる。

View、Controller とは関連性を持たないのが望ましい。 Model オブジェクトは、自分自身がどのように表示されるかを知らない。

特定の実行環境に依存しないのが望ましい。 例えば、特定のフレームワーク上に構築されたアプリケーションであっても、Model クラスだけは別のフレームワークでも使用できるようにするべき。つまり、フレームワークに特化したインタフェースを備えてはいけない。

V (View)

表示。プレゼンテーション・ロジック。

データを目に見える形で表示するためのコード。ウィンドウアプリケーションでは、ウィンドウ内に表示するウィジット等の表示、Web アプリケーションでは、HTML の出力などが View に当たる。

C (Controller)

入力。インタラクション・ロジック。

ユーザやシステムからのイベントを受けとり、Model や View の作成、更新、相互作用を管理する。

MVC パターンの Pros and Cons

  • 利点 (Pros.)
    • UI コードにビジネスロジックが入るのを防ぐことができる。
    • ユニットテストしやすい。
  • 欠点 (Cons.)
    • スケールしない(UI は個々に作成できるが、モデルを分離しにくい)
    • Contoller が肥大化しやすい(View からの処理がすべて Controller 経由になる)
    • SOLID 原則の S (Single responsibility principle) と I (Interface segregation principle) に違反してしまう。

View と Controller の関連

多くの GUI toolkit では、V (View) と C (Controller) は複雑に絡み合っている。なぜなら、C (Controller) は、それ自体が画面上に表示される widget であることが多いから。

例えば、 wxPython では、画面上に表示されるウィジット wx.Window (View) は、ユーザの入力を受け取る wx.EvtHandler (Controller) のサブクラスとして定義されているため、「View = Controller」 である。

逆に、一般的な Web アプリケーション・フレームワークは、Controller(サーバー上での処理)と、View(ブラウザへの表示)が明確に分かれていることが多い。

MVC の パッシブ・モデルとアクティブ・モデル

パッシブ・モデル

  1. ユーザ入力 → Controller
  2. Controller →(更新)→ Model
  3. Controller →(更新通知)→ View
  4. View →(最新データ取得)→ Model

パッシブ・モデルでは、Model が更新されたとき、Controller が View に対して通知する。

アクティブ・モデル

  1. ユーザ入力 → Controller
  2. Controller →(更新)→ Model
  3. Model →(更新通知)→ View
  4. View →(最新データ取得)→ Model

アクティブ・モデルでは、Observer パターンを利用し、Model オブジェクトに更新があったときに Model オブジェクト自身が、リスナとして登録されている View に対して通知する。

Android プログラミングにおける MVC パターン

例えば、Android アプリのコーディングでは、エントリポイントが Activity クラスや Fragment クラスになるので、構造を何も考えずに機能を追加していくと、Activity や Fragment が肥大化してしまいます。 最初から MVC パターンを意識したコーディングを行うことで、見通しがよく保守性の高いコードを作成できます。

  • Activity や Fragment が肥大化してしまうのを防ぐことができる。
  • ロジックが分かりやすく、新しい機能を追加するのに時間がかからない。
  • Activity や Fragment からビジネスロジックを分離できるのでテスト可能になる。

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