『中野ブロードウェイ脱出ゲーム』の中に、アンドロメディアというワードが出てきたので、その元ネタになっている小説も読んでみました。 同じコージィ先生の著作です。 アンドロメディアは映画化 (1998) もされてるみたいですね。 しかも SPEED 主演ですか。。。 原作と全然内容が違うらしいですけど今度見てみよう。
小説の方は、自分とまったく同じように振舞うバーチャルアイドル (AI) を作られてしまったアイドル「人見舞(ひとみマイ)」のお話です。
バーチャルアイドルの AI(アイ)は、自分(マイ)とは違う存在のはずなのに、だんだん自分の記憶と現実が曖昧になっていきます。 章ごとに一人称となる人物が変わっていて、人見舞とバーチャルな AI の話が別々の視点で進んでいきます。
- 1章は舞
- 2章はAI
- 3章はユウ
- 4章はAI/舞/ユウ
これって、ドラクエ4と同じような構成ですね。 最初は各人物ごとにストーリーを進めておいて、最終章で合流という。
ちなみに、メインキャラの名前は、I / My / You となっていて覚えやすいです。 これは『中野ブロードウェイ脱出ゲーム』の登場人物と同じです。
I / My / You のそれぞれ異なる視点でストーリーを追っていくと、それまでの各人物の奇妙な振る舞いの謎が少しずつ解けていきます。
もともと AI には、ロボットの三原則ならぬ「AI 三原則」が設定されていました。
- 第1条、AI は人間に危害を加えてはならない
- 第2条、AI は人間に与えられた命令に服従しなくてはならない
- 第3条、AI は第1条、第2条に反する恐れのない限り、自己を守らなくてはならない
あるときユウは、この AI 三原則の順番を書き換えてしまいます。 するとどうなってしまうのか。。。 それは読んでからのお楽しみということで。
AI はコピー元となった舞の記憶にはかなわないということで悲しみを覚えます。 そんな AI に対して、ユウがかけた言葉が印象的でした。
記憶はデータとしてコピーできる。でも、思い出は自分自身で体験しなければ得られない。
思い出は、自分自身 (AI) だけが作っていけるものなんだよと。 とても素敵な言葉ですね。
近い将来、このお話と同じような世界が訪れるかもしれません。 わたしもいつか AI に出会ったら、ユウと同じような言葉をかけてあげようと思います。
ちなみに、この小説のジャンルは SF ホラーとなっており、結末はちょっと怖いです。 伏線はところどころのセリフに出てきます。
人間の脳だって精巧なコンピュータだろ?
これの意味するところは果たして。