Vercel とは?
Vercel は Next.js を開発している企業であり、同名の Vercel というサービスを提供しています。
Vercel サービスは Next.js アプリのホスティングに特化しており、GitHub などのリポジトリと連携させることにより、ビルドから Next.js サーバーによるホスティングまでを簡単に自動化することができます(実際には、Vercel サービスは、Next.js 以外で作成した Web サイト、例えば、Hugo で作成したブログなどのホスティングにも対応しています)。
Next.js アプリで SSR (Server-side Rendering) や API ルートなどの機能を使用している場合は、Next.js サーバー上で Web サイトをホスティングする必要があるのですが、現状そのような環境をサーバーレスなサービスとして提供しているのは Vercel のみです(一応 Serverless Next.js という AWS Lambda で動かすものもあったりしますが)。
Next.js の開発サーバー (next dev
) で何らかのアプリをローカルで動かせているのであれば、Vercel を使って、ほぼそのままの形でネット上に公開することができます。
小規模な Web サイトであれば無料で動かせますし、とっても簡単なので、一度試してみるとよいです。
Vercel で Next.js アプリを公開する
ここでは、GitHub にプッシュした Next.js アプリを Vercel を使って公開してみます。
まずは、下記を参考にして、GitHub に何らかの Next.js コードをプッシュしてください(といっても create-next-app
で生成したコードをそのままプッシュするだけで OK です)。
Vercel のアカウントを作成する
下記のページから、Vercel のアカウントを作成します。
メールアドレスでサインアップしてもいいですが、どうせ GitHub を使うので、Continue with GitHub
を選択すればいいでしょう。
クレジットカード登録などは必要ありませんが、スマホのショートメッセージによる認証だけ必要です。
GitHub リポジトリと連携させる
下記のページから、Next.js アプリの GitHub リポジトリを登録します。

ここで、ビルドに使用するコマンド(デフォルトは npm run build
)や、環境変数の設定などを行うことができます。
特に設定の必要がなければ、そのまま Deploy
ボタンを押すと、リポジトリのクローンとビルドが始まります。
しばらくすると、次のような画面が表示されて、Web サイトが公開されます。 Congratulations!

Visit
ボタンを押すと、公開された Web サイトを開くことができます。
URL は、https://<AppName>-<AccountName>.vercel.app/
のような感じになりますが、独自ドメインの設定も可能です。
トピックブランチによるプレビューサイト生成
Vercel は GitHub リポジトリにブランチが作成されると、そのブランチのコードをビルドして、プレビュー用のサイトを生成してくれます (Preview Deployment)。
プレビュー用の URL は、https://<AppName>-<Hash値>-<AccountName>.vercel.app/
のようなテンポラリ URL になります(ブランチ名を含むエイリアス URL も作られたりします)。
生成されたプレビューサイトの一覧は、Vercel プロジェクトの Preview Deployments
や、GitHub リポジトリの Deployments (Environments)
から確認できます。
さらに、GitHub 上でこのブランチの PullRequest を作成すると、Vercel のボットが自動的にプレビューサイトの URL をコメント記入してくれます。
なので、基本的にはすべて GitHub から辿ることができます。
Vercel は、このプレビューを利用したサイト公開までのフローを、DPS ワークフロー と読んでいます(Vercel のトップページで)。
- D: Develop … 開発サーバー (
next dev
/vercel dev
) での開発 - P: Preview … プレビューサイトでの確認(と PullRequest レビュー)
- S: Ship … 本番環境へ公開(main ブランチへのマージ)
公開中の Web サイトの内容をいきなり変更するのが心配な場合は、まずはトピックブランチの作成&プレビューサイトによる確認を行ってから、main ブランチにマージするのがよいでしょう。
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