まくろぐ
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あとがきを読んでショックを受けました。 著者がこの本を出した後に夫婦心中したそうです。 その直前に書かれたストーリーは、少なからずそのときの心境を反映していたのだと思います。

内容としては 3 つの中篇を収録したものですが、同一の連邦宇宙が舞台となっているところは共通しており、リフト (rift) と呼ばれる人類未到の宇宙空間でのファースト・コンタクトなどがテーマになっています。 最初のストーリーは、書籍タイトルにもなっている『たったひとつの冴えたやりかた』で、16歳の少女コーティ・キャスが宇宙空間で異種族に出会う話です。 といってもその出会いは、小型の宇宙船 CC-1 の中でコーティの 脳に寄生 することで始まります。 姿は小さすぎて一粒の粉にしか見えません。 会話はコーティの口を使って、一人二役で行われます。 このあたりの描写でみんな『寄生獣』を思い出すみたいです。 学生の頃に友達に貸してもらって読んだ寄生獣はほんと面白かったなぁ。 話がそれました。

コーティは自分の頭に棲みついた生物「シロベーン」と仲良くなっていくのですが、ある惑星から帰還する宇宙船の中で、2人は自分たちの行く末についてあまり選択肢が残されていないことに気づきます。 たったひとつの冴えたやり方というのは、コーティが下した決断のことでした。

切ないストーリーですが、著者の「ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア」の作品の中では一番ライトなストーリーなのだとか。 例えば、『愛はさだめ、さだめは死』 とかはきついらしいです。 タイトルからして重そうですもんね。 でもいろいろと受賞している作品らしいので今度読んでみます。

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