『火星の人』 の著者、アンディ・ウィアーの SF 小説です。 前作は、マット・デイモン主演の映画版『オデッセイ』の方が有名かもしれません。 今回は 月が舞台 で現実味があります。 上下巻構成ですが、一人称で軽い調子で話が進んでいくのでサクッと読めてしまいます。
アルテミスは、月面に作られた居住区の名前で、5 つのドーム(バブル)から構成されています。 それぞれのバブルの名前は、アポロ計画の宇宙飛行士の名にちなんで、「アームストロング」「コンラッド」「オルドリン」「ビーン」「シェパード」という名前になっていてシャレオツ。
子供のころから月で暮らしている女性、ジャズ・バシャラは、地球から送られてくる品物を運ぶポーターをして生活していますが、決して裕福ではなく、非合法な仕事にも手を出しています。 あるとき、大物実業家から引き受けた依頼で一攫千金を狙うのですが、それは、月での酸素供給に関わる仕事でした。 その時点でヤバイでしょ。 酸素の供給施設は、すなわち 2000 人の住民全員の命を握っています。 そんな任務を受けてしまったジャズは、大きな陰謀に巻き込まれていきます。
地球の 1/6 の重力下での命懸けのアクションや、監視だらけの月面での無謀なミッションは、読んでいてハラハラします。 そんな中でもジャズは、一人で微妙なギャグを飛ばしながら任務を進めていきます。 頭のネジがぶっ飛んでいるのでしょう。
月での暮らしはこんな感じになるのかぁ・・・