山一證券破綻の真相究明を行った「しんがり」と呼ばれる社員たちの物語。
この小説がすごいのは、ノンフィクション ということです。 著者の清武氏は記者(ジャーナリスト)であって、決して山一證券の関係者ではないのですが、あたかも社員たちと一緒にそこにいたかのようなリアルさで描かれています。 ノンフィクション賞を取るのもうなずけます。 しんがりの社員たちは破綻の真相究明のために、たくさんの社員にインタビューを行うのですが、著者のインタビュー力も半端ないですね。
最後まで会社に残った社員たちは、給料もろくにもらえない中で使命感だけで清算処理を続けるのですが、もし自分が同じような立場に立ったら、きっと逃げ出しちゃいますね。。。 ほとんどの人がそうだと思います。 でも、この本を読めば、そんな状況で最後まで頑張り抜いた先に何が待っているのかを少しだけ味わうことができます。 何か熱いものがこみ上げてきます。