辞書オブジェクトを作成する
JavaScript の配列は、もともと「キー&値」を扱う連想配列として使用することができますが、TypeScript のタイプアノテーションを使うと、キーの型と値の型 を明示した辞書 (Dictionary) オブジェクトを作成することができます。
次の例では、文字列のキーと、数値の値を持つ辞書オブジェクトを作成しています。
間違った型のキーや値を格納しようとするとエラーになります。
辞書型のインタフェースを定義する
単純な辞書
上記の例では、辞書オブジェクトを生成するときに同時にその型を指定していましたが、あらかじめ辞書型を表すインタフェースだけを定義しておくこともできます。
次の UserAges
インタフェースは、文字列型のキーと数値型の値を持つ、よくある辞書の定義例です。
任意のオブジェクトを値にする辞書
次の UserDictionary
インタフェースは、文字列型のキーと User
型の値を持つ辞書型を表しています。
UserDictionary
インタフェースは次のように使用します。
辞書からキーを削除する
辞書のキー(とその値)を削除するには、delete
キーワードを使用します。
辞書をループ処理する
辞書内の要素をループ処理するには、例えば次のようにキーをループ処理します。
ES 2017 以降であれば、Object.entries()
関数を使って、キーと値のペアを取り出しながらループ処理できます。
ちなみに、tsc
コマンドなどで TypeScript コードをトランスパイルしている場合、ES 2017 の機能を使うには、compilerOptions.target
の項目で ES2017
以上を指定しておく必要があります。
なぜ辞書オブジェクトの型定義は分かりにくいのか?
という辞書オブジェクトの型定義は、「次のように簡潔に記述できないの?」と思うかもしれません。
しかし、後者の定義は辞書型を示すものではなく、string
という名前のプロパティを持つオブジェクト型を定義するものになってしまいます。
使い方も、次のようにまったく異なります。
TypeScript の辞書オブジェクトの型定義は、最初は面食らうかもしれませんが、 型定義の中に []
が出てきたら、それは辞書オブジェクトのキーの型 なのだということが分かっていれば、コードもスラスラと読めるようになります。
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