children の型定義
TypeScript で React の関数コンポーネントを定義するときには、下記のような React.FC (React.FunctionComponent) を使用します。
FC
の型パラメータ P
は、上記のような PropsWithChildren
型にラップされるので、props
の型定義をするときに明示的に children
を含める必要はありません。
下記の ColorBox
コンポーネントは、指定した背景色で子要素 (children
) を表示します。
ただ、これだと、ColorBox
コンポーネントの型情報を見ただけでは、子要素 (children
) が必要なのかどうかを判別することができません。
props
の型定義で、明示的に children
の型情報を指定するには、次のように React.ReactNode
を使います。
これで、子要素を指定せずに ColorBox
コンポーネントを使おうとしたときにエラー表示してくれるようになります。
ちなみに、子要素の指定がオプショナルであることを明示するには、次のように children?
と定義すれば OK です。
これであれば何も定義しないのと同じでは?と思うかもしれませんが、この定義があることで、子要素を指定したときに確実に何らかの描画が行われるということを示すことができます。
(おまけ) React.ReactElement や JSX.Element との違い
上記で children
の型定義に使った React.ReactNode
以外にも、次のような似たような型があるのでまとめて起きます。
ReactElement / JSX.Element
React コンポーネントが生成する描画要素(<MyComponent>
など)を表す型です。
関数コンポーネント (FC
) の戻り値は、この ReactElement
です。
(参考: DefinitelyTyped の定義)
React.FC
インタフェースの定義を見ると、関数の戻り値として ReactElement
が使われていることを確認できます。
TypeScript の型定義に慣れないと最初は理解しにくいかもしれませんが、下記の interface
定義の 1 つ目のプロパティが、関数コンポーネントのコールシグネチャを表しています。
JSX.Element
もほぼ同じもので、次のようなエイリアスなので、関数コンポーネントの戻り値の型として使用できます。
コンポーネントの実装において、部分的な要素を生成するユーティリティ関数の戻り値としても使用できます。
ReactChild
ReactChild
は、ReactElement
、文字列、数値のいずれかを表現する型です。
(参考: DefinitelyTyped の定義)
一見これを children
の型として使用できそうですが、ReactChild
はあくまで 1 つの要素を表すものなので、複数の要素を指定できる children
の型としては使用できません。
ReactNode
ReactNode
は次のように定義されており、1 つ以上のコンポーネントやプリミティブ値を表します。
簡単にいうと、JSX コードの中の一部分はこの ReactNode
で表現できます。
つまり、children
の型としてはこの ReactNode
を使うことができます。
まとめ
各タイプを粒度の観点で整理すると次のような感じです。
ReactNode
(1 つ以上の React コンポーネント or 文字列 or 数値)ReactChild
(1 つの React コンポーネント or 文字列 or 数値)ReactElement
/JSX.Element
(1 つの React コンポーネント)ReactText
(文字列 or 数値)