ここでは、Microsoft の Bot Builder SDK を使ったボット作成のファーストステップとして、チャットクライアントから入力されたテキストをそのままオウム返しするだけの Echo ボットを作成します。 言語としては JavaScript (Node.js) を使用することにします。
ここで作成するのはボットの本体(サービス側)で、クライアントとしては Microsoft が提供している Bot Framework Emulator を使用します。
Bot Builder SDK をインストールする
Node.js 版の Bot Builder SDK(botbuilder
パッケージ)は、npm
コマンドを使ってインストールすることができます。
パッケージの依存関係を管理するための package.json
ファイルも、npm init
コマンドで作成しておきます。
$ mkdir mybot
$ cd mybot
$ npm init -y
$ npm install --save botbuilder@4.x
Bot Service のインタフェースは REST API として提供することが定められているのですが、Bot Builder SDK には REST API サーバを作成する機能は含まれていません。
そこで、REST API サーバを作成するための restify
パッケージも一緒にインストールしておきます(express
などでも実装できると思いますが、リファレンス実装では restify
が使用されています)。
$ npm install --save restity
Echo ボットの作成
下記の実装は、http://localhost:3978/api/messages
というアドレスで、チャットクライアントからのメッセージを待ち受けてオウム返しで応答する最低限の実装です。
ネット上にあるサンプルコードでは、BotFrameworkAdapter
コンストラクタのパラメータとして appId
や appPassword
を指定しているものがありますが、ローカル PC 上で Bot サーバを立ち上げるのであれば、上記のようなコードだけで十分です。
最初は最小限のコードで動かしてみましょう。
このボットは下記のように起動します。
Bot Framework Emulator から接続してみる
ボットのサーバーが無事に立ち上がったら、Bot Framework Emulator を使って接続のテストを行ってみます。 Emulator は下記からダウンロードしてインストールします。
Emulator を起動したら、メニューの File → New Bot Configuration を選択し、下記のように接続設定を行います。 入力するのは、Bot name(任意のボット名)と Endpoint URL(restify サーバで公開した URL)です。
ここで入力した Bot name は、ボットの設定ファイルの名前に使用されます(上記の例の場合、MyBot.bot
というファイル名になる)。
Save and connect のボタンを押すと、MyBot.bot
ファイルが保存され、Bot サーバに接続されます。
次回からは、この MyBot.bot
ファイルを使って接続することができます。
メッセージ欄に Hello
と入力して送信すると、Bot サーバから正しく You said: Hello
という応答が返ってきていることがわかります。
これで、ローカルでの Echo ボットサーバの立ち上げと接続テストは成功です (^o^)/