Windows95 を作った男と言われている中島聡さんのお話を聞いて来たのでメモメモ。 『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』 はかなり売れたみたいですね。
- 今は Singularity Society という NPO もやってる。会社としての利益とかではなくて、もっと大きな問題に幅広く関わっていきたいと思って社団法人として設立した。
- 経団連に PC が入ったとか、そういう人たちが日本を回していたりする。みんな危機感を持たなきゃいけないよ。
- 「これを作りたい!」という気持ちが少しでもあったら、その気持ちを大きくして、どんどん外に出していくべき(起業家精神みたいなの)。上司とかマネージャー陣は守りに入って反対することが多いかもしれないけど、どんどん訴えていくべき。
- 「ものは作ったもん勝ち」。Windows 95 のときも、最初に Smalltalk でハリボテみたいなプロトを作って見せたら、結局それが Windows 95 のベースになって、自分が Windows 95 を作った男と呼ばれるようになった。その頃 Smalltalk でガッツリ実装しているのは自分くらいしかいなかった。
- 今もプログラムはバリバリやってる。最近は自動運転とか。自動運転自体のプログラムを作っているわけではないが、自動運転の社会になったときに必要になってくるであろうルーティングのプログラムなどを、先を見越して作っている。
- Uber や Google が自動運転社会のトップになって幸せな世界になるとは思えない。例えば、地方で運転できずに病院にもいけない老人を救うといったニーズは必ずある。そういった幅広いニーズに応えていくということがこれからの世の中には必要だ。
- 自動運転は法の整備がポイントなので、そのあたりに強みを持っている中国がまずは抜け出すだろう。先を行かれる可能性が高く、ピンチだ。
- テスラは iPhone が出たときと同じくらいワクワクして買った。テスラは買った後にどんどん進化していく。3週間ごとにソフトウェア更新されて車自体が性能向上していくのはほんとすごい(アップデートの頻度とかも)。日本の大企業とかはできないんだろうなぁ(リスクが大きいことはやらないから)。
- 自動運転社会が来れば必ず新しいビジネスが生まれる。今のうちにどのようなビジネスがヒットするのかを考えておくのが大切。例えば、信号や駐車場がなくなったりして、大きな変化が出てくるだろう。
エンジニアへのアドバイスもいくつか。
- 自分がどこで勝負するのかは意識していた方がいい。
- 会社のやり方と合わないと感じたら、辞める前に思いっきり暴れてみよう(物理的にではなくて)。
- これからはマネージャよりエンジニアの方が給与が高いという時代になっていく(日本は遅れている)。逆にそうなっていない会社は廃れていくだろう。いつも言ってるが、スキルの高い人がプログラミングせずに、スキルのない下請けに受注するという構造は最低だ(日本の大企業はほとんどそう)。
- クラウドができて、ハードウェアもできて、クライアントもできる、みたいなオールマイティな人は強い。IoT な時代は、ある処理をどの部分でやればベストなパフォーマンスを出せるのかということを答えられる人が強い。